目次
妊娠中の食事ってどうすればいいの?

ところでひろみん、妊娠中と非妊娠中では、摂取すべき栄養素やカロリーが異なることは知っているかな?


食事の内容によっては、生まれてくる赤子の健康を害したり障害を持たせてしまったりするぞ。

妊娠中は、お母さんの体が大きく変化します。おなかが大きくなるだけでなく、時期によってはつわりが起こったり、便秘がちになったりします。
ホルモンバランスも大きく変わるので、気分が落ち込んだり異常なほどの食欲が出たりすることも。
日に日に変化する体調に合わせてベストな食事を続けることは難しいですが、気を付けるべきポイントを知っておくだけでラクになります。
母子ともに健康で、体や心への負担も少なく出産を迎えられるように、できることからやってみましょう。
妊娠中は摂取すべき栄養素が違う!

初期(4~15週) | 中期(16~27週) | 後期(28~39 週) | |
エネルギー | +50kcal | +250kcal | +450kcal |
タンパク質 | +0mg | +10g | +25g |
ビタミンA | +0mg | +0mg | +80mg |
ビタミンB1 | +0.2mg | +0.2mg | +0.2mg |
ビタミンB2 | +0.3μg | +0.3μg | +0.3μg |
ビタミンB6 | +0.2mg | +0.2mg | +0.2mg |
ビタミンB12 | +0.4μg | +0.4μg | +0.4μg |
葉酸 | +240μg | +240μg | +240μg |
ビタミンC | +10mg | +10mg | +10mg |
カルシウム | 650~2300mg | 650~2300mg | 650~2300mg |
マグネシウム | +40mg | +40mg | +40mg |
鉄 | +2.5mg | +15mg | +15mg |
亜鉛 | +2mg | +2mg | +2mg |
銅 | +0.1mg | +0.1mg | +0.1mg |
ヨウ素 | +110mg | +110mg | +110mg |
セレン | +5mg | +5mg | +5mg |
表:妊婦が摂取するべき1日当たりの栄養素


ポイントだけ知っておけば小学生でも実行できるぞ。

妊娠中は母体の健康とおなかの赤ちゃんの成長のためには、様々な栄養素が必要です。
その中でも特に重要な栄養素を見ていきましょう。
絶対摂取すべき栄養素!葉酸


妊娠中に限らず、妊娠を希望する女性は意識して摂取したほうが良いぞ。
葉酸は、赤ちゃんの神経を作る大切な役割を担っています。
細胞の再生をおこなうDNAを助ける働きがあり、その葉酸が不足すると、細胞分裂が活発に行われる胎内では赤ちゃんの神経が十分に発達しなかったり、最悪の場合はおなかの中で死んでしまう可能性もあるのです。
しかし、葉酸をきちんと摂取できれば、赤ちゃんの神経をきちんと発達させて、健康に生まれてきてもらうことができます。
イギリスや欧米などの研究では、妊娠前から十分な量の葉酸が摂取されていれば、赤ちゃんが障害をもってしまうリスクを65% ~75%も軽減できるという結果が報告されています。
参考:http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html
また、妊娠期以外でも葉酸は重要な栄養素です。葉酸は、造血作用といって血を作るために必要な成分なだけでなく、細胞の再生を促す作用も持っています。
なので、葉酸が不足すると貧血をおこしたり、免疫機能や消化機能にも影響が出たりします。

妊娠中に葉酸が不足してしまうのには、主に2つの理由があります。
①葉酸の摂取量が不足してしまう
②必要な葉酸の量が増える
①葉酸の摂取量が不足してしまう
妊娠をしていない時期の葉酸の必要量は、1日当たり240μg必要だといわれています。
しかし、女性が一日に摂取している葉酸の量の平均は217μg。普通の食事をしている女性は、毎日1割ほど葉酸が足りていません。


②必要な葉酸の量が増える
妊娠中は、おなかの中で赤ちゃんがどんどん成長します。葉酸は、この赤ちゃんの成長に必要な栄養素です。なので、妊娠中のお母さんは、自分の体のために必要な葉酸に加えて、赤ちゃんの分の葉酸も摂取しなければなりません。
そして、妊娠中に葉酸が不足してしまうと、赤ちゃんやお母さんの体に異変が起こってしまうのです。
お母さんの場合は、貧血が起こりやすくなるといった影響が出ます。そして赤ちゃんには、神経系の発達が遅れてしまったり脳が育たなくなってしまうという重大な影響が出てしまう可能性があります。

葉酸は妊娠期に非常に重要な栄養素です。特に妊娠する1か月前から妊娠後3か月までは、赤ちゃんの神経や脳が急速に発達します。なので、この時期に葉酸が不足してしまうことは赤ちゃんの神経系の発達や脳の発達を阻害してしまうことにつながります。
このように、葉酸は赤ちゃんとお母さんのために非常に重要な栄養素です。そのため、厚生労働省では、「妊娠の1ヶ月以上前~妊娠3ヶ月の間は、食事のほかに、サプリメントまたは強化食品で1日400μgの葉酸を摂るのが望ましい」としています。

すべての女性に捧げる葉酸補給レシピを紹介しよう。
レシピ①栄養満点!葉酸たっぷりほうれん草スープ
材料 (4人分)
・ほうれん草1袋
・玉ねぎ半玉
・じゃがいも1個
・牛乳400cc
・生クリーム 適量
・コンソメ 2キューブ
作り方はこちら

レシピ②アボカドトマト つわり中や葉酸摂取に。
材料 (2人分)
アボカド1つ
トマト1つ
★オリーブオイル 大さじ1
★砂糖小さじ2
★お酢小さじ2
★練りわさびチューブから捻って1.5㎝程度
★醤油小さじ1.5
★塩胡椒適量
作り方はこちら

産後に骨粗鬆症にならないためにに気を付けたい、カルシウム
カルシウムも、妊娠中の女性には特に必要な栄養素です。



骨粗鬆症の年代別有病率
参考:http://jyoseinomikata.jp/osteoporosis/
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して、骨折するリスクが大きくなる病気のことです。
上の写真のように、骨粗鬆症になってしまうと骨がスカスカになり、もろくなってしまいます。
それが骨折の原因になり、60代や70代になって介護が必要になったり寝たきりになってしまったりするのです。

50代前半から、骨粗鬆症になる女性の割合が急激に伸びているのがわかるか?


赤ちゃんが育つには、カルシウムが必要です。赤ちゃんも骨を作らなければならなので当然ですね。このときに必要になるカルシウムは、お母さんからもらうしかありません。
食事からのカルシウムが足りていないと、赤ちゃんはお母さんの骨からカルシウムを奪ってしまいます。その結果、お母さんは骨がスカスカになり骨粗鬆症になってしまうのです。

レシピ①妊婦・授乳さんへ?簡単カルシウム丼
材料 (1人分)
ご飯1杯
じゃこお好きな分だけ
納豆1パック
ベビーチーズ1個
梅干(チューブでも)1個
作り方はこちら


レシピ②かぶの葉の洋風炒め☆
材料 (3~4人分)
かぶの葉4個分
ベーコン30g
a)にんにくスライス1かけ分
a)オリーブ油小さじ2
塩、胡椒適量
醤油小さじ1/2
無塩バター3g
作り方はこちら


出産前に必要!ビタミンA
初期(4~15週) | 中期(16~27週) | 後期(28~39 週) | |
エネルギー | +50kcal | +250kcal | +450kcal |
タンパク質 | +0mg | +10g | +25g |
ビタミンA | +0mg | +0mg | +80mg |
ビタミンB1 | +0.2mg | +0.2mg | +0.2mg |
表:非妊娠時と比較して妊娠時に必要になる栄養素の量

ただ、動物性のビタミンAは摂りすぎるとかえって危険だ。摂取のしかたにはよ~く注意するんだぞ。
ビタミンAを摂取する方法には、大きく分けて2つあります。
・レバーなどの動物性の食品から摂取する
・ニンジンやカボチャなどの植物性の食品から摂取する

動物性のビタミンAは、「レチノール」と呼ばれています。
レチノールはとても吸収率が高いのが特徴で、食べた分の80~90%が吸収されます。
吸収率が高いということは、体にとっては一度に大量のレチノールが入ってくることになります。
一度に大量のアルコールを飲むと吐き気がしたり、一度に大量のカフェインを飲むと気持ち悪くなったりするように、レチノールも一度に大量に摂取すると頭痛やめまい、吐き気などの症状を引き起こします。
一方、植物性のビタミンAは、「βカロテン」とよばれています。こちらは吸収率が10~30%と、動物性のビタミンAに比べて低いのが特徴です。
このため、植物性のビタミンAは食べ過ぎることがほとんどなく、頭痛やめまい、吐き気などの症状が起こることもありません。


ざっくりいうと次のとおりだな。
化合物Aのラットを用いた胚・胎児発生への影響に関する試験では,無眼球,小耳,上下顎の形態異常といった頭部顔面に特徴的な変化が異常胎児の多くに認められ,このほか曲尾や短尾といった尾の異常も認められた.これらの表現形はレチノイン酸の催奇形性と類似している点が多いことから,化合物Aの毒性ターゲット(主薬効とは異なるoff-targetへの作用)として,核内受容体・レチノイン酸レセプター(RAR)に対する作用が考えられた.そこでRARα,β,γを含め26種類のヒト核内受容体に対する作動性をレポーターアッセイにて検討した.その結果,化合物AはヒトRARα,βおよびγに対して弱いながらもアゴニスト活性を有しており,そのEC50値は1.5~5μg/mL(終濃度)であった.RAR以外に催奇形性に繋がり得る核内受容体への作用は認められなかった.また,ラットのRARに対する作用も検討したところ,ヒトRARと同様にアゴニスト活性を有していた.さらに,妊娠ラットに化合物Aの催奇形性発現用量を投与し胎児の血漿中濃度を測定したところ,Cmaxは117μg/mL,AUCは1577μg・h/mLであった.レチノイン酸をラットやマウスに投与すると,小眼球,無眼球,耳介形態異常,上下顎の形態異常,口蓋裂,曲尾,短尾といった化合物Aの催奇形性と類似した催奇形性が認められることが知られている.これらのことから,化合物AではRARアゴニスト作用のEC50値(1.5~5μg/mL)をはるかに上回る濃度が持続的にラット胎児に暴露された結果,催奇形性が発揮されたものと推察された.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/toxp/34/0/34_0_5016/_article/-char/ja/


その結果、赤ちゃんが奇形になってしまう可能性があるんだな。
まぁ、普通に食事していればほとんどありえない。大量に食べてはいけない食品だけ知っておけば大丈夫だ。
妊娠中は、レチノールが大量に含まれる食品は避けたほうが無難です。
次の食品にはレチノールが大量に含まれるので注意しましょう。
気を付けたい!レチノールを多く含む食品
・鶏レバー 14,000μg/100g
・豚レバー 13,000μg/100g
・牛レバー 1,100μg/100g
・あんきも 8,300μg/100g
・フォアグラ 1,000μg/100g
・ウナギ 1,500μg/100g
・ぎんだら 1,500μg/100g
出典:http://vitamine.jp/bita/bitaa01.html
ウナギとぎんだら以外はすべて、動物の肝臓です。動物の肝臓はレチノールが多く含まれているので、妊娠中は食べてもごく少量にしましょう。


じゃあ、恒例の植物性ビタミンAが摂れるレシピを紹介しよう。
レシピ①キャロット くるみサラダ !ビタミンA
材料
にんじん大2本
くるみ1/4カップ程
レーズン1/4カップ程
☆すりおろしたにんにく小さじ1
☆粒マスタード大さじ1
☆はちみつ 又は 砂糖大さじ1、5
☆塩(岩塩等)少々
☆ブラックペッパー少々
☆エクストラバージンオリーブオイル 大3
☆フレッシュパセリみじん切り(なくともよい)
作り方はこちら

レシピ②簡単!ブロッコリーと干し海老の中華炒め☆
材料 (2?3人分)
ブロッコリー1房
パプリカ1/2ケ
生姜 1かけ
干し海老大さじ3
ごま油 大さじ2
マヨネーズ大さじ2?3しお
塩コショウ少々
作り方はこちら

紹介したレシピのように、油をつかった料理がおすすめだ。
貧血になりやすい人ほど意識したい、鉄分
マグネシウム | +40mg | +40mg | +40mg |
鉄 | +2.5mg | +15mg | +15mg |
亜鉛 | +2mg | +2mg | +2mg |
表:非妊娠時と比較して妊娠時に必要になる栄養素の量
妊娠中期以降は、貧血になりがちです。
貧血になると、気分が悪くなったり体調がすぐれなかったりして、お母さんの体に負担がかかりますね。しかし、実はおなかの赤ちゃんにも影響を及ぼしてしまいます。
お母さんが重度の貧血になると、低体重の赤ちゃんが生まれてくる可能性が高くなります。
そのほかにも、お母さんが貧血でふらふらだと、おなかをぶつけてしまった、ということもありえます。
そして、貧血は、主に鉄分の不足と葉酸の不足が原因で起こります。
葉酸にプラスして鉄分もしっかり摂取することで、貧血を起こさないからだを作りましょう。

妊娠初期の6倍も摂取しなきゃいけないの?!



レシピ①大量消費にも☆青のりドレッシング
材料
青のり(あおさ)大さじ1?2
しょうゆ大さじ2
酢大さじ1
砂糖少々
ごま油 大さじ1
にんにくチューブ 1?2cm
(お好みで)豆板醤 お好み量
作り方はこちら

ただ、お好み焼きやたこやきにかける程度だと量が少なすぎるから、ドレッシングにしたり炒め物に入れたりしてたくさん食べられる工夫をすると良いな。
レシピ②?鉄分補給スムージー?
材料
ほうれん草2束
バナナ2個
牛乳200ml
砂糖大さじ2/3
氷6個
作り方はこちら


栄養素がたっぷり含まれている理想の食材はコレ

それでさ、無理せず効率よく栄養素を取りたかったら何を食べればいいの?

お豆腐と野菜たっぷりの味噌汁なんかは食欲がなくても食べやすいからちょうどいいぞ。
【緑黄色野菜】
緑黄色野菜とは、ニンジンやカボチャ、ピーマン、ホウレンソウなど、色が濃い野菜のことです。各種ビタミン類や、葉酸、鉄分、カルシウム、食物繊維など、妊娠中に必要な様々な栄養素をとることができるので、積極的に食べましょう。
特におすすめの野菜
・ホウレンソウ
・カボチャ
・ブロッコリー
・小松菜
ホウレンソウやブロッコリーには、葉酸がたくさん含まれています。
また、カボチャやニンジンのようなオレンジ色の野菜にはビタミンAが含まれているので、特に妊娠後期には積極的に食べるようにしましょう。
小松菜にはカルシウムやビタミンCがふくまれているので、こちらもおすすめです。
【乳製品】
妊娠中はカルシウムが不足しがちです。カルシウムをたくさん食べるには、野菜や小魚よりも少ない量でたくさんのカルシウムが摂取できる乳製品がぴったり。不足しがちなたんぱく質も摂取できます。
ヨーグルトは便秘の解消にもつながるので、妊娠中期以降の便秘になりがちな妊婦さんにはおすすめです。
【海藻類・きのこ類】
海藻やきのこには、食物繊維が豊富に含まれています。便秘になりやすい妊娠中は積極的に食べましょう。
海藻類にはカルシウムやリン、ヨウ素などが豊富に含まれています。このような微量元素はなかなか摂取しづらいので、意識して食べるようにしましょう。
そしてきのこ類にはビタミンDが含まれています。このビタミンは、なんとカルシウムの吸収を助けてくれる効果があります。こちらも、意識して食べるようにしましょう。

レシピ:?カボチャとほうれん草のシチュー?
材料 (☆3~4人分☆)
☆バター☆60グラム
☆小麦粉☆大さじ3
☆牛乳☆400cc
☆コンソメスープ☆400cc
☆カボチャ☆4分の1個
☆ほうれん草☆1束
☆ベーコン☆60グラム
☆しめじ☆一袋
☆塩コショウ☆少々
☆パルメザンチーズ☆大さじ3
作り方はこちら

葉酸、鉄分、カルシウム、植物性のビタミンA、すべてきちんと食べらるな。

さいごに
妊娠中は、おなかの赤ちゃんもお母さん自身も、非常にデリケートです。
こうしなければならない!というのに縛られずに、体調と相談しながら食事に気を付けていきましょう。
■妊娠中におすすめのレシピについて知りたい方はこちら
味の素 妊婦さんの食事特集
http://park.ajinomoto.co.jp/recipe/corner/word/ninpu
わこちゃんカフェ プレママレシピ
http://community.wakodo.co.jp/community/recipe/premama/
■おすすめのサプリメント
・葉酸
はぐくみ葉酸
http://www.hugkumiplus.net/yousan/lp/
・カルシウム
ピジョン葉酸カルシウムプラス
https://products.pigeon.co.jp/item/index.php?item_id=1384#
サントリーのカルシウム&マグネシウム
http://www.suntory-kenko.com/supplement/pouch/43402/
・鉄分
美めぐり習慣
http://www.sakura-forest.com/bimeguri/
ヘムアイアン
https://www.d-sup.com/brand/d-addition/306/
・妊婦さん向けの総合サプリ
小林製薬の葉酸鉄カルシウム
http://www.vegestory.jp/
■食事についてもっと幅広く知りたい方はこちら
厚生労働省 「妊娠中と産後の食事について」(PDFダウンロード)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/ninpu-02.html
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